前回の記事で取り上げた “Axiomシリーズ” と同時に発表された、AIRの音楽制作ソフト “Ignite” を紹介＆簡単レビューします。

開発元であるAIRは、ProToolsのプラグインなどの開発を手がけていることで有名です。そんなAIRが発売する音楽制作ソフトというだけで、なんだか期待しちゃったのですが・・・期待通りでした。

“Ignite” の概要を見ていくと、「キーボード・ドラム・パーカッション・ギター・ベース・シンセサイザー・ストリングス・ブラス・管楽器からなる275個のプリセット」「M-AUDIOキーボードに特化したコントローラーのマッピング」「コードを自動生成するコード・プレイヤー」「フレーズを自動生成するフレーズ・プレイヤー」などが特徴的な機能です。

本家の説明にもある通り、インスピレーションから音楽をなるべく簡単に、素早く形にできることをテーマにした制作スタイルになっています。それをまさに象徴しているのが、画面下半分にある “Arranger（アレンジャー）” と呼ばれるエリアです。思いついたフレーズなどを書き留めておく「掲示板」のように使えます。

下の画像が、実際に自分で使ってみたものです。

ちゃんとAxiom Proのキーボード表示になっているところに、思わずニヤリとしてしまいます（笑）

肝心な操作は非常にシンプルで、「楽器を選ぶ→打ち込む」が簡単に繰り返せるようになっています。自動的にクオンタイズをかけたり、弾いたフレーズに応じて小節数が区切られたりと、コンセプト通り「インスピレーションを大切に」している感じが伝わってきます。

記録されたフレーズは、ブロックのように “Arranger（アレンジャー）” に追加されていきます。そしてこの “Arranger（アレンジャー）” エリア内であれば、自由に動かしたりすることができます。パーカッションやシンセ毎など、自分で作業しやすいように配置できるのが新しい感覚ですね。また、ブロックを近づけると自動的にグループ化され、グループ内でリピートなど、作業を効率的にする機能も備わっています。

尚、このブロックのような固まりは、それぞれ再生したり、停止したりすることができます。Ableton Live を使ったことがある方はセッションビューの「クリップ」を想像していただくと分かりやすいかもしれません。なので、あたかもライブ演奏しているかの如く、ブロックを再生したり停止することで、楽曲の展開をイメージしやすくしてくれます。ただし、Ableton Live のように演奏した内容を記録する「アレンジビュー」のようなものはありません。

では、どうするのか？

答えは簡単です。こんな感じで、グループをさらにまとめてしまえばいいのです。

なかなか面白い考え方じゃないですか？「アイデアを書き留めていく」というスタイルにピッタリだと思います。

音色については、ポピュラーな音源が揃っている感じで、即戦力になりそうなものばかりです。いい具合にエフェクトなどがかかっている状態で呼び出せますので、楽しくなること間違いなし！

こんな面白そうなソフトウェアが、M-AUDIO製キーボードをお持ちの方はスグに使い始めることができます！対象となるキーボードは以下の通りです。

・Keystation Mini 32
・Keystation 61es
・Keystation 88es
・Oxygen 25 (Second Generation)
・Oxygen 49 (Second Generation)
・Oxygen 61 (Second Generation)
・Axiom II 25
・Axiom II 49
・Axiom II 61
・Axiom AIR Mini 32
・Axiom AIR 25
・Axiom AIR 49
・Axiom AIR 61
・Axiom Pro 25
・Axiom Pro 49
・Axiom Pro 61

コンピューターの動作環境は以下の通りです。

《Mac》
OS 10.7.5、10.8
Intel Core 2 Duo 2 GHz Processor
5400RPM ハードドライブ
2GBメモリ（4GB以上を推奨）
3GBハードドライブ空き容量
USBポート1つ以上

《Windows》
Windows 8、Windows 7 Service Pack 1 Home Premium, Professional, Ultimate
Intel Core 2 Duo 2 GHz Processor
5400RPM ハードドライブ
2GBメモリ（4GB以上を推奨）
3GBハードドライブ空き容量
USBポート1つ以上

対象キーボードをお持ちの方は、是非ダウンロードしてみましょう！