なぜ、もっと早くこの機能を知っていなかったのだろう?と思うほど便利な機能。“エンベロープをリンク/リンク解除” について、今日は触れていきたいと思います。
エンベロープのコントロールは、ワンパターンなメロディやフレーズに変化を与える重要な要素。Ableton Live では、そのエンベロープの書き込みや、変化をつけるプロセスを非常に効率的に行うことができます。
上の画像のように、4小節ほどのフレーズがあったとしましょう。通常、この4小節のフレーズに規則的な変化(シンセのカットオフやボリューム、パンなど)を与えようと思うと、エンベロープをコピペしたりして、全てに貼付ける必要が出てきてしまいますよね。
そこで、“エンベロープをリンク/リンク解除” ボタンの登場です。画面左下の「Envelopes」エリアにある「Linked」ボタンを押し、「Unlinked」に変えてみましょう。すると、フレーズ(MIDIノート)が書き込まれているレイヤー(層)と、エンベロープを書き込むレイヤーが個別に編集できるようになります!
2枚目の画像のように、ループプレースを1小節分に縮小した後、1小節分だけエンベロープを書き込みましょう。または、2小節目以降のエンベロープを消してしまいましょう。
すると、どうでしょう?フレーズは4小節分しっかりと再生されるのに対して、エンベロープは1小節分をリピートしてくれるはずです。
便利な理由が伝わりますか!?この機能を使えば、エンベロープを変更したくなった時でも、4小節分すべてを変更する必要がないので、非常に効率的です。
では、逆のパターンを考えてみましょう。下の画像のように、短いフレーズを使用する場合の活用方法です。
フレーズは1小節のまま、4小節かけてシンセのカットオフが開いていく(または閉じていく)ような長めの変化を与えたいと思ったとします。
通常、4小節分に延長してエンベロープを書き込むことが多いかと思いますが、今回のテーマである “エンベロープをリンク/リンク解除” を使うとなると、どんな風にすれば良いと思いますか?
答えは↓こちらです!
このようにしていただければ、フレーズは1小節しかないのに関わらず、エンベロープは4小節かけてゆっくりと変化してくれます。
さらに、もう一工夫してみましょう。
このように、エンベロープのレイヤーに5小節目を追加し、ループプレースを設定していただければ・・・
1. クリップ再生スタート時はスタートマーカーから再生開始。
2. 以降は5小節目だけをリピート再生。
といったような再生パターンを作る事が出来ます。
どうですか?スーパー便利じゃないですか!?
きっとご存知の方も多いと思いますが、初めて聞いて「目から鱗が落ちた!」という人も少なからずいらっしゃると思います。Ableton Live を使用する上で、是非理解しておきたい素晴らしい機能ですね。