いやぁ、随分と悩みました。
現在のメインツールはAbleton Live 9(打ち込み)+ Apple LogicPro9(ミックス)という感じで続けてきたのですが、とある理由でミックスに使うツールを変えたくなったんですね。そこで、アップグレードで済むし懐かしのProToolsへ戻ろうかとも思ったのですが、良い機会だったので様々なDAWを候補に考えてみたのです。
そこで、最終的に白羽の矢がたったのが PreSonus の “Studio One 2” だったのです。
ではなぜ、“Studio One 2” を選んだのか?参考になるか分かりませんが、いくつか簡単に挙げていきたいと思います。基本的に「ミックス」という段階に使用する目的(オーディオが中心)として Studio One 2 Professional を気に入った機能になりますのでご了承下さいね。
まずは、ほとんどの方に影響のありそうなメリットから・・・
1.【動作が軽い】
さすがイチから開発されたDAWだけあります。動作が非常に軽いです。
2.【VSTプラグインが使える】
これは結構大きいかもしれません。 ProTools や LogicPro では扱うことのできないVSTプラグインが使えます。様々なプラグインが大量に眠るVSTの畑を使えることは、非常に楽しみです。
3.【Melodyne Essential が内蔵されている】
今ではヴォーカルピッチ補正の定番となっているCELEMONY「Melodyne」の 下位バージョン “Melodyne Essential” が標準で搭載されています。オーディオデータの読み込みも一瞬で、完全に内蔵されているといって過言ではありません。
3.【乗り換え組に優しい】
“Studio One 2” には、通常版とアップグレード版以外にクロスグレード版が存在します。 こちらに対象製品などが記載されていますが、ほとんどのDAWが対象となっていますので、乗り換え組は大抵お安く済むことになるはずです。もちろん、通常版と機能差はありません。
4.【まめなアップデート】
Cubaseの元開発チームだった人間が作っていることもあり、その設計には感心させられる部分が多いのですが、改善点も多々あります。しかし、Studio One の開発チームは非常に意欲的で、アップデートが実にまめにあります。新しい機能や改善の取り組みに前向きなのが手に取るように分かり、それだけでも応援したくなります。
ここからは、個人的にツボだったポイントを・・・
5.【出音が好き】
これはハッキリ言って好みだと思うのですが、ミックスしていて気持ち良かったのです。 PreSounsが音質面でも謳い文句にしている “最先端のオーディオ・エンジン” の影響か分かりませんが、ヌケが良いんですよね。
6.【MIDIコントローラーとの連携】
これ、本当に素晴らしいです。昨今、様々なメーカーからMIDIコントローラーやコントローラー内蔵キーボードなどが発売されていますが、それぞれ最適化されたDAWがまちまちだったり、アサインが面倒だったりしますよね。 Studio One では、それが超簡単です。
上の画像は Waves C4 を参考にしたものですが、プラグイン上部にあるエリアで、プラグインのパラメーターとコントローラーをリンクさせます。たったこれだけ。でも、凄いのはこれだけじゃないんです。
なんと、一度アサインした内容は全てのプロジェクトで共通して使えます。便利〜〜〜っ!
アサイン情報をプロジェクト単位で記憶するのではなく、Studio One 本体がアサイン情報を記憶してくれるので、例え制作している楽曲が変わったとしても、一度設定した内容をそのまま反映してくれます。これだけで随分と助かります・・・。アサインだけで時間使ったりするの、馬鹿らしいですよね。
ちなみに、PreSonus Faderport は自動認識で完璧に動作します!(そりゃそうだ)
7.【トラックのフォルダ化が分かりやすい】
これも結構気に入っています。トラック数が増えがちなパーカッションやシンセなどは、一つのフォルダとしてまとめることができます。
で、フォルダの内容を展開するのもワンクリックで分かりやすい上に、フォルダそのものの出力先を指定することができるので便利です。例えばパーカッションをフォルダ化して、出力先をBusにしてしまえば、プラグインも掛けやすいし見栄えも良く一石二鳥。Ableton Live でも「グループ」という機能で可能なのですが、ミックスするDAWにも欲しかったので嬉しいです。
8.【イベントFX】
なんじゃそれ?という感じだと思いますが、非常にシンプルかつ便利です。通常、プラグインによる効果はトラック全てに影響しますが、この「イベントFX」は、トラック内の任意のオーディオイベント(リージョン)に個別でプラグインを掛けられる機能です。
写真上部が通常のインサートやセンドで、その下にあるのが「イベントFX」です。ここでは純正のPro EQを掛けています。この機能が便利なのは、オーディオイベント(リージョン)毎にプラグインの効果を与えられることはもちろんですが、“レンダー” というボタンを押せばプラグインの効果がオーディオイベント(リージョン)に完全に反映され、CPUへの負担を減らすことができること。そして、気に入らなければ “復元” ボタンを押してプラグインの状態を戻すことができることです。Ableton Live のフリーズ機能に似ているかもしれませんね。
9.【面白いドローイングツール】
みなさん、オートメーションは使われますよね?Studio One では、そのオートメーションにも一工夫がなされています。
上の画像のように、オートメーションに様々な図形を書き込めるようになっています。参考までに、画像ではパンに「方形」というツールでオートメーションを書いてみました。もちろん、方形の感覚などは調整することができます。なんだかLFOをオートメーションに書き込んでるみたいで、面白くないですか?
以上が、私が PreSonus “Studio One 2” を今後のミックスツールとして選んだ主な理由です。
もちろん、まだまだ心配な部分もあります。主要DAWのショートカットキーがアサインできるとはいえ、ある程度のカスタマイズが最初に必要となることや、ムービーファイルの扱いが少し弱いこと、LogicProのようなスクリーンセット機能が無い、ProToolsのようなスマートツール、ズーム保存(1つなら可能)機能が弱いなどなど・・・。
最初にお断りしたように、オーディオ素材が中心となる「ミックス」をするには音質も機能も最高のソフトウェアだと思います。正直、打ち込みを行おうと思うと・・・ちょっとツラいかな。
しかし、意欲的に開発が進んでいるソフトウェアであることは間違いないので、きっとドンドン使いやすくなると信じています!私は応援しますよ〜。
気になった方は、是非30日間無料トライアルバージョンをお試しください。
はじめまして、こんにちは。
Studio One 2の魅力についてここまで明瞭な記事は初めて見ました。素晴らしいです。
こちらへは「Reason 7」と検索したら辿り着きました。私は今までReasonを求めていたんですが、 Studio One 2のような方向も有りだと思えるようになりました。
参考になりました。ありがとうございました。
はじめまして!記事を気に入っていただけて光栄です。
僕の記事が、少しでも誰かの参考になるのであれば本当に嬉しいです。
Reason 7も素晴らしいと思うので、是非たくさん悩んでくださいね!