さて、Ableton LiveをコントロールできるiPadアプリを紹介するシリーズもいよいよ最終回です。
今回の企画で取り上げてきたのは、以下の4つのアプリです。
- Zerodebug “touchAble 2” ⇒記事はこちら
- PATCHWORKS “Conductr” ⇒記事はこちら
- hexler “TouchOSC with LiveControl” ⇒記事はこちら
- liine “LEMUR with LiveControl 2”
記念すべき最終回はこちらのアプリ!
liine “LEMUR with LiveControl 2”
LEMUR with LiveControl 2 公式ページはこちら
こちらのアプリ「LEMUR」は前回の「TouchOSC」と同様に、MIDIといった音楽制作で御馴染みの信号をiPadから送信・受信して、音楽制作ソフトウェアをコントロールするアプリとなっています。
そしてなによりのこの「LEMUR」の特徴は、その凄まじいカスタマイズ性と豊富なオブジェクト。自分の好きなようにコントローラーを自作することができることから、Daft Punkや坂本龍一氏など著名なアーティストがコントローラーとして採用しています。
そんな「LEMUR」をベースに、Ableton Live専用に作られたレイアウト「LiveControl 2」をご紹介しましょう。
まず最初の画像にあるように、いわゆるクリップランチャーやトランスポートのコントロールはもちろん用意されています。ここで他のアプリと少し違うところは、各トラックのミキサーやマクロコントロールが独立して呼び出せるという点でしょうか。画像左下に表示されているのがそうです。
マクロコントロールに集中したい場合や、いわゆるXYパッドでの操作が欲しい時にはこんなレイアウトも用意されています。ボタンが大きくて見易いですね。「LEMUR」ではこのXYパッドの操作方法も豊富で、ボールの位置を10個分プリセットに記憶できたり、各ボールをLFOで周期的に動かすこともできれば、自分で触った軌跡を記憶させて反復させることもできます。また、“Physics” というパラメーターを使えば、ボールを振り回したり壁にぶつけてバウンドさせたりと物理的シュミレーションを使って操作できちゃいます。
“Ableton Push” や以前紹介した「touchAble 2」 で御馴染みのグリッドによるキーボード演奏のレイアウトもあります。右上のメニューでスケールやキーを変更すれば、その通りにグリッドが並んでくれます。アルペジエーターと使うのがオススメ!
クラブミュージック制作に必須のステップシーケンサももちろんバッチリです。Ableton Liveユーザーには御馴染みのMIDIノートの「リバース」や「反転」も操作が可能。また、コード(和音)入力などにも対応しているので、本当に細かい機能が満載という印象です。
各レイアウトの細かい動き、とくにXYパッドのボールの動きは文章では分かりづらいと思いますので、興味を持たれた方は是非こちらの公式ムービーをご覧ください!ボールが物理的に動く様子なども分かりますよ〜。
このアプリは「TouchOSC」と同様に、「カスタマイズ性」がなによりの特徴です。Ableton Liveだけに特化したアプリという点では “touchAble” や “Condutr” に軍配が上がりますが、「人とはちょっと違うことがしたい・・・」という方には素晴らしい選択肢になると思います。
LEMUR with LiveControl 2 公式ページはこちら
以上で「Ableton Live用 iPadアプリ比較シリーズ」が最終回となります!皆さん、自分にふさわしいコントローラーは見つかりましたでしょうか?少しでもそのお手伝いになったなら嬉しいです。
“Ableton Push” や “Akai APCシリーズ” といったハードウェア・コントローラーも素晴らしいですが、iPadアプリと組み合わせることによって未知の体験が待っていると思いますので、是非導入を検討してみてください!